color child第1回本公演

GANBA!

~legend of seven mice~

(C)斎藤 惇夫/岩波書店刊「ガンバの冒険」シリーズ

公演データ

作/演出・トイズファクトリー

照明・松本伸一郎 音響・河野恒彦(フリーウェイ)蛯原ミサイル

宣伝美術・蛯原ミサイル 舞台監督・D1

制作・GANBA!制作委員会

CAST

ガンバ・里中龍児

ボーボ・橋本幸子

ガクシャ/バレット・山岸拓也

ヨイショ/カリック・渡辺浩一

シジン・土居清光

イカサマ/長老/マンプク・壱森マサヒロ

忠太・粕谷貴久

シオジ/オオミズナギドリ2・中村容子

七郎/オオミズナギドリ3・朝比奈宏

カンジ/オオミズナギドリ1・鶴岡誠

 2001年10月18日〜22日 高円寺明石スタジオ


ストーリー

赤いソテツの咲き乱れる美しき島【夢見ケ島】・・・。

そこに住む島ネズミ達は、忍び寄る残忍な【白い影】に怯えながらの生活を送っていた。

一方、とある港の倉庫では、年に一度の宴に盛り上がる、船乗りネズミの姿があった。

力比べに名乗りを上げた街ネズミはヨソ者扱いを受けるが、激しい決闘の末皆の信頼を勝ち得る。

そして再び宴は盛り上がりを見せようとしていた・・・その時!!

重い扉の開かれる音と共に、傷ついた小さなネズミが倒れ込んで来た。

「た、助けて・・・く、ください!」


こぼれ話

ガンバです。あのガンバ。子供の頃テレビで見たガンバです。この公演を決定してから実際に舞台にするまで、驚くほどの苦労がありました。でもここには書けない事ばかり!しかもビデオ販売は著作権の問題で販売できないので、見に来られた人だけの幻の作品となりました。

オープニング・元々はデビッドフォスターの「ファイヤーダンス」と言う曲でオープニングを考えていました。いつもの通り曲タイミングで演出つけていたのですが、ある日主宰がターザンのCDを稽古場に持って来たのです。映画のオープニングで使われていた「two worlds」を改めてサントラで聞いた時、あまりのドラマティックさに「こっちに変えよう」と思ってしまいました。すでにオープニングは出来上がりかけていたので、突然の変更は役者は大変だったようです。曲のタイミングに合わせて、台本を変更する必要もありましたが。苦労したかいあって、いいオープニングになっています。本来はゴリラ夫婦と息子、ターザンの両親とターザン。それがゴリラの息子とターザンの両親が殺され、残されたゴリラ夫婦とターザンの繋がりを意味する曲なのですが、(two worls.one famiry=二つの世界、一つの家族)GANBA!では島ネズミ達と船乗りネズミ達を「two worlds」に喩えています。

漂流する靴・初めに台本を見た時から、ここは靴を作ろうと決めていました。靴を作った流れから、マンプクと決闘のパチンコ屋のシーン。ここでもターザンがかかります。「trashin' the camp」という曲で、このシーンにはぴったりの曲です。いつものダンスバトルは別のシーンで出てくるので、ここは割と直接的な決闘と、パチンコ台を組み合わせてみました。最後に入るステップを、本番直前まで覚えてくれなかったひなちゃんに冷や汗。

ヨイショ・シジンとガクシャで始まるこのシーン。ガンバが現れてヨイショ達の仲間になる所ですが、ここでダンスバトルが入ります。偶然ながら主宰が選んだ曲は、ターザンでフィルコリンズと歌っていた、インシンクというメンバーのオリジナルアルバム曲です。これにヨーコ嬢が振り付けをして、あのシーンができた訳です。

シオジ・シオジの回想シーン。このシーンで使っている曲はターザンから「sun of man」。歌詞の中に「少年は大人になる」というフレーズがあって、これを忠太の成長にかけています。このあとガンバが船酔いする所があるんですが、本番後半戦、ホントに具合悪くて、舞台上でマジ酔いしてる里中君が大変そうでした。

ちょうどいい洞穴・シジンが登場するシーンで、シジンは毎回何かやってくれました。酔っぱらって登場なので、歌いながらが多かったのですが、アクティングエリア外にいてフリーな状態にあるイカサマ=壱森君に向かってネタを披露するのです。笑わないようにする壱森君の周りで、同じように笑いをガマンして怖い顔になるヨイショ、遠い所に気持ちが行ってる風でも、微妙に笑ってているシオジとか、いろいろ裏で楽しめるシーンでした。シジンの回想シーンでは地味ながらもロケットをやっています。これは蛯原の家に昔の宝塚のビデオが数本あって、それを見た渡辺がこれをやると言い出したので出来たシーンです。宝塚を知らない人でも楽しめたと思いますが。

バサ!・オオミズナギドリを、いつまでたってもオオミズギナドリと覚えていた渡辺が印象的。ギナドリって・・・。

ワルモノ・またワルモノを演じている鶴岡君。七郎に状況説明するシーンで笑いまくっていましたが、千秋楽に向かうにつれてその笑いもパワーアップ。ワルモノ度合いが増したようです。

キラリン!・ボーボがノロイにやられるシーン、ここは爪のSEと言うのを操作していたんですが、この機械、同じボタンで3種類の音を出すんです。1ページ目に爪、2ページ目に貝殻で使ったキラリン!が入っていました。前のシーンでページを戻してなかった回がありまして、そのせいでボーボがキラキラ死んでしまうというミスをしてしまいました。

電子レンジ・ガクシャが歌の謎を解くシーンで、閃いた瞬間にニヤニヤ笑う所がありました。アンケートで気持ち悪いと書かれていました。かわいそうなガクシャ君。その時、ガリベン眼鏡をかけていたのですが、それが輪をかけてブキミだったんで、途中からレンズなしの眼鏡に変更しています。

ハヤセガワ・ここでもオープニング曲がかかります。このシーンでリフトアップされるボーボがかぶっていたのは、青木さん作のキツネ面。ごくろうさまです。

you'll be in my heart・ボーボとガンバの別れのシーン、ここでもターザンの曲を使っています。you'll be in my heartと言う曲ですが、あなたはいつも私の心の中にいます。という内容の曲なので、このシーンにはぴったりでした。

リンゴ・毎回舞台装置のないカラーチャイルドですが、今回は後ろの幕に絵を描いてみました。本番の2日前、最後の稽古の日にいきなり描いたものです。横に書いてた文字は意味のないものです。そして本番前日、仕込みの日にオープニングで使ったタイトル幕と赤いリンゴのパンチを作りました。

GANBA!では強烈な風邪に悩まされ、1ヶ月しかない稽古期間の内2週間も出られない日がありました。それで演出的にまだまだ修正したかったシーンが山盛りです。でも、もうこれは再演できないので残念です。今後の作品でその悔しさを爆発させてやるぅ!